あらためまして「想像力」

絵本作家 小風 さちさんの「想像力」 Column
絵本作家 小風 さちさんの「想像力」

2025年7月26日(土)&27日(日)両日に「中・四国 こども文化セミナー」が、そらいろのこどものとも社さん主催で岡山県倉敷にある倉敷アイビースクエアにて開催されました。
遠方からお越しの方はホテルに泊まって次の日も参加されたので、初日の夜は食事会とその余興に「備中神楽」をご依頼頂きました。

中・四国 こども文化セミナー

写真のとおり、5人の絵本作家さんをお招きして「想像力」をテーマに講演会をお聞きするイベントでした。あまりに素晴らしい内容だったので、備中神楽のお仕事なのに、ご無理いって、初日の講演会のお話を聞かせて頂きました。髙木社長、ありがとうございます。

来られていた絵本作家さんはこちら。

2025年7月26日(土): 乾 栄里子さん・西村 敏雄さん・小風 さちさん
2025年7月27日(日): 小西 貴士さん・高桜 方子さん

小風 さちさんの「物語のつくり方」が、真摯で誠実で印象に残りました。

絵本作家 小風 さちさんの「想像力」

あらためまして「想像力」と題うって今回のコラムを書き始めましたが、想像力を改めて考える良い機会でした。

「リアルであることと リアリティであること、は違う」と小風 さちさんは伝えてくれました。

この言葉が「表現する」上で、とても大切なことだと感じています。

小風 さちさんは、文章を書く前の「物語の下支え」の重要性について語られていて、「文章を書く時に、一つの世界を構築していく時に、リアルでなくてもいいと思う。ファンタジーでもいい。しかし、そこにリアリティがないと子どもたちにはそっぽを向かれてしまう。本は一度閉じられてしまったら、いくら中から「おーい」と叫んでも、もう子どもたちには届かない」

つまり、「想像力ある表現をするには、リアリティの蓄積が、そこに費やす圧倒的な時間が蓄積されている」ということだと理解しました。

自分の眼で、足で見る。そうした経験を通過した物語にはリアリティが出てくる。
それが「物語の下支え」となる。

小風 さちさんはこう続けます。

倉敷アイビースクエア

「自ら観察した時間の蓄積が必ずどこかにあって、色々作っていくとそれが大切だ、と感じる。自分の眼で見る、足で見る、を忘れた造詣からはリアリティがどんどん失われていく。

見るということと、見えていることは違う。

絵を見るだけをとっても、その絵を漫然と見ている子どもと、
まじまじとその世界が見えている子どもでは、目つきが違う」

これは子育てにおいても、何かを生みだす、表現をすることにおいても、日常の全般にわたって大切ではないでしょうか。

日本画の先生も必ず描く対象物を触らせ、いろんな角度から観察させ、そのイメージを、心に浮かんだイメージが私の中でカタチになるまで時間をかけ、そのもの全体を見えてから捉えさせるように導いてくれていました。その時間をありありと思いだしたのです。

もう一つ、小風 さちさんが仰ったことの中で大切だと感じたことは、
「自分の気配を感じるものを削っていく」ということです。

LOVE & HUMOR !

これは、物語を書き終えた時、物語として成り立つか…という視点に立ち返ることだと思います。

自分の気持ちだけて書くのではなく、主人公の気持ちを考える、登場人物を観察する。

小風 さちさんは、絵本の中にうたわれなくても、「お話の舞台をどこにするか」を、慎重に手間暇をかけて決めていくそうです。

どういった立ち位置から発せられた言葉なのか、はっきりわかっていることが大切で、言葉を絵の横にあるものとして据えていく。

俯瞰したところからみて、自分の気配を感じるものを削っていく。

福音書館の編集の方がいらしていたのですが、絵本はあえて登場人物の表情があまり出ないように描くのを指導していく、と言われていました。なぜかというと、あまり表情が豊かだと感情を読み手に押しつけしまう可能性があって、それはあまり好ましくないからだそうです。

相手に想像力の自由をあたえるということ。

そのためにどのように表現していくのか。

絵本作家さん「想像力」の講演で、さまざまなヒントをいただきました。

自分の中から生まれる想像力をたくましくすることと、
他者の想像力も尊重して、互いにたくましくなっていくこと。

両方向を意識する、大切さに気付きました。

備中神楽「大蛇退治」の八岐大蛇

夕食会の備中神楽は「猿田彦命(さるたひこのみこと)」と「大蛇退治(おろちたいじ)」を30分ほどみなさんのご覧いただきました。盛り上がっていました。一安心。

最後は先導をしてくれる「猿田彦命」の舞いで、さようなら。

自分のガイドは自分。そうおもえる想像力を養っていきたいと思っています。

みなさん、いつもありがとうございます。

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